家全体を一定の温度に保てる、冬でも暖かく過ごせる、冷暖房の稼働効率が良くなる、その他にも高気密高断熱住宅のメリットはたくさんあります。
高気密のおかげで外気の影響を受けずに済みますが、「空気の循環が悪くなるのでは」とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、湿気が溜まることで発生するカビの問題について解説します。
□高気密高断熱住宅はカビが発生しやすい?
高気密高断熱住宅はその気密性と断熱性の高さから、室内が換気されにくく、湿気が溜まりやすいというイメージをお持ちかもしれません。
そのことがさらに「カビが発生しやすい」というイメージにつながるのかもしれませんが、実際は違います。
高気密高断熱住宅には、24時間自動換気システムの設置が義務付けられています。
高気密住宅で問題になるハウスダストや結露の発生を解決するためです。
この24時間換気システムにより、家全体の空気が循環し、高気密住宅でも湿気がこもらない設計になっています。
そのため、高気密高断熱住宅は一般的にカビが発生しにくい住宅と言えます。
一方で、注意したいのがグラスウールを使用した高気密高断熱住宅です。
断熱材の1つであるグラスウールは、ガラス繊維の中に空気を溜めて断熱しますが、水分量が多い空気を溜めてしまうと結露の原因となってしまいます。
もちろん、湿気が溜まらないように気密シートや透湿防水シートが施工されていますが、室内と屋外の温度差によっては結露の発生を防げない可能性もあります。
グラスウールを使用する場合は、他の断熱材に比べて、結露とそれに伴うカビが発生する可能性があることを把握しておきましょう。
□家に発生したカビをそのままにしておくことの危険性
断熱材だけでなく、お風呂やキッチンなどの水回りはカビが発生しやすいです。
カビを放置すると、以下のような危険性があります。
見つけたらすぐに対処しましょう。
*健康被害
カビが人体に入ると、アレルギー症状や病気を発症する危険性があります。
具体例として、アレルギー性鼻炎、気管支肺アスペルギルス症、シックハウス症候群などです。
健康被害だけでなく、家でリラックスして過ごせない原因にもなるのでそのままにしておくことは避けましょう。
*家の寿命短縮
結露やカビが発生すると、建材が腐食する恐れもあります。
壁内結露は気づきにくいため、結露・カビ予防が大切です。
*ダニの大量発生
カビと同じく、ダニも湿度が高い場所を好みます。
ダニの大量発生はさらなる健康被害を生む恐れがあるので、十分に注意しましょう。
□まとめ
高気密高断熱住宅は気密性の高さから、湿気が溜まりやすくカビが発生しやすいというイメージがあるかもしれませんが、実際は24時間換気システムのおかげでカビが発生しにくい住宅なのです。
カビが発生しにくい住宅であっても、カビ対策は健康面と住宅の耐久性の面でとても重要です。
カビ対策をして、健康に、そして安全に過ごしてください。